脚の長さが左右で違うのは、当工房に多く寄せられるお悩みです。 今回は、靴型装具を製作させていただいた例をご紹介します。
そもそも人間は、左右対称ではないですよね。それでも、バランスがとれるから人間ってすごい!!
このお客様の場合 4cm左右の足の長さが違うのですが、長年の生活の中で身につけられたバランスに合わせて、1cmの靴の左右差で製作しています。 いつも黒革の靴なので、今回は、足元が軽く見えるベージュの革をご希望されました。
片足は、いつも爪先立ち。
長い間、足の長さが4cm違う状態で、お暮しになっていらっしゃるので、靴は1cmの左右差にとどめておかないと、全く歩けなくなってしまうので1cm差で安心して履いていただいています。脚長差の調整を行うことで安心。
数値だけを合わせても、履ける靴にならない。脚長差調整
足のサイズ、脚の長さといった定量的なデータだけでは その方に合う履きたい靴には、絶対になりません。
靴は、歩行の補助、足の保護を目的とした道具です。
運動機能には、個人差があり、歩行という運動に必要な靴という道具を数字に合わせるだけでは製作できないことを、うまくは説明できませんが、皆様が履かれている靴の歩きやすさは、靴のサイズだけで、感じていらっしゃいますか?
左右が同じサイズの靴が、ラッキーにも、歩きやすい靴のサイズだっただけなのかもしれませんね。
履く人の気持ちに合わせる
靴型装具は、オーダーメイドシューズのひとつです。ですから、ベージュの革というご希望に沿うことも、とても大切なことです。 靴の機能だけではなく、実用性、履き心地という気持ちに添って靴を製作するのが 靴職人の仕事です。
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