靴職人が語る、足と靴の勘違い6選
- 文雄 富澤
- 8月11日
- 読了時間: 5分
靴職人の立場から、世間一般でよくある足と靴の勘違いとその正しい考え方についてお話ししますね。

足と靴の勘違い6選
勘違い1:「靴は、少し大きい方が楽で良い」
これは非常に多くの人が信じている勘違いです。たしかに、少し大きい靴を履くと最初は圧迫感がなく、楽に感じるかもしれません。しかし、歩くたびに靴の中で足が前後に滑ったり、左右にずれたりします。
正解:
足が靴の中で動くたびに、指は踏ん張り、余計な力が入ってしまいます。これが続くと、タコや魚の目、外反母趾の原因になることも。また、不安定な状態で歩き続けるため、膝や腰への負担も大きくなります。
靴は、つま先に少し余裕があり、かかとがしっかりフィットするジャストサイズを選ぶことが大切です。かかとがカパカパと脱げないか、足の甲がしっかり支えられているかを確認しましょう。

勘違い2:「足のサイズは一生変わらない」
「昔測ったサイズだから大丈夫」と思っている人が多いのですが、足のサイズは意外と変化します。体重の増減、年齢によるアーチの崩れ、妊娠、むくみなど、さまざまな要因で足の幅や長さは変わります。
正解:
靴を購入する際は、必ず両足を測りましょう。左右で足の大きさが違う人も珍しくありません。測る時間帯も重要で、夕方や夜はむくみで足が大きくなりがちなので、その時間帯に測ると、より正確なサイズを知ることができます。

勘違い3:「ハイヒールは足に悪い」
ハイヒールはファッションアイテムとして素敵ですが、「健康に悪い」と一括りにされがちです。しかし、すべてのハイヒールが悪いわけではありません。重要なのは、その靴が自分の足に合っているかどうかです。
正解:
サイズが合っていないハイヒールや、極端につま先が細い靴は、足に大きな負担をかけます。しかし、自分の足に合ったサイズで、しっかりと足が支えられているハイヒールであれば、適度な高さはヒップアップ効果や姿勢を良くする効果も期待できます。
ヒールを履く際は、足指が窮屈にならないか、足の甲がきちんとフィットしているかを確認することが大切です。無理のない高さやデザインの靴を選ぶことで、足への負担を減らすことができます。
これらのポイントを参考に、ご自身の足と靴との関係を見つめ直してみてください。自分の足に合った靴を選ぶことは、健康的な生活を送る上で非常に大切ですよ。

勘違い4:「インソールは誰でも同じでいい」
実は…
足の形や悩みは人それぞれ。既製品のインソールが合わないことも多く、逆に痛みや不調の原因になることも。
特に、偏平足・外反母趾・足長差などの症状がある方は、既製品ではサポートが不十分なことが多く、長時間の歩行や立ち仕事で疲れやすくなります。
正解:
自分の足に合わせたオーダーメイドインソールは、足のアーチを支え、姿勢や歩行の安定にもつながります。
さらに、膝・腰・肩などへの負担軽減にも効果があり、日常生活の質を高めるサポートになります。
「なんとなく疲れる」「靴が合わない気がする」と感じている方こそ、一度足の状態をチェックしてみる価値があります。

勘違い5:「靴はデザイン重視で選ぶべき」
実は…
見た目だけで選ぶと、足に合わない靴を履き続けることになり、トラブルの原因に。
特に、つま先が細すぎる靴やヒールが高すぎる靴は、外反母趾・足裏の痛み・姿勢の崩れなどを引き起こすことがあります。
「おしゃれは我慢」と言われることもありますが、足の健康を犠牲にするのは本末転倒です。
正解:
デザインと機能性の両立が大切。足に合った靴は、見た目も美しく、健康も守ってくれます。
最近では、機能性を備えたスタイリッシュな靴も増えており、足に優しい素材や構造を取り入れたモデルも豊富です。
「履いていてラクなのに、見た目もいい」――そんな靴こそ、長く愛用できる一足になります。

勘違い6:「痛くなったら慣れるまで我慢すればいい」
実は…
痛みは足からのSOS。無理して履き続けると、慢性的なトラブルにつながることも。
靴擦れ、足裏の痛み、指のしびれなどを放置すると、足の変形や歩行バランスの崩れを引き起こし、膝や腰への負担にもつながります。
「そのうち慣れるだろう」と思っているうちに、症状が悪化してしまうケースも少なくありません。
正解:
痛みを感じたらすぐに見直しを。靴のサイズや形、インソールの調整で快適さは大きく変わります。
特に、足の長さ・幅・甲の高さなどを正しく測定し、自分に合った靴を選ぶことが重要です。
オーダーメイドのインソールや靴は、足の負担を軽減し、快適な歩行をサポートしてくれます。
「足に優しい選択」が、日々の疲れや不調を防ぐ第一歩になります。

以上、足と靴の勘違い6選です。足と靴にまつわる誤解は、日常の不調や疲れの原因になることもあります。正しいサイズ選びやインソールの活用、デザインだけに頼らない靴選びが、足元から健康を支える第一歩です。自分の足に合った靴を選ぶことで、快適な歩行と豊かな生活が手に入ります。
ご自身の足のサイズを測ることで、幅広や幅狭などがわかります。
ご来店いただき足を計測してみましょう








コメント